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2018

(2017公開の映画評/ パーティで女の子に話しかけるには・ゲットアウト・サークル・ギフテッド・しあわせの絵の具 愛を描く人モードルイス)

· FM802,映画

続けて更新していきます。

なんと!年明けに書きかけたままのものまでありました・・!(時差が半端ないですが・・自分の記録用とまぁせっかくなのでupします)

どうやらこれは2017年ラストに「FLiPLiPS」のアンケートに答えた分のご紹介ですね。

もはや懐かしい。

それと、去年観た映画の中から私的に良かったものについての紹介です。

もう公開終了したものばかりですが、ほら、DVDも配信もあるし!気になったものがあればぜひ。

みなさま!あけましておめでとうございます。

まず去年の振り返りに。メモ。去年は802でこんな音楽に触れました、のまとめ。

○このイントロにやられたで賞  イト/クリープハイプ

○歌声にグッときた!歌唱大賞  君はロックを聴かない/あいみょん

○グッドメロディーで賞     UP ALL NIGHT/BECK

○ギターカッコエエで賞     Dinosaur/B’z

○ドラムカッコエエで賞     1987→/スピッツ

○ベースカッコエエで賞     ラッキースター/go!go!vanillas

○ライブベストアクトはあなたで賞 Mr.Children

○今年1番聴いたで賞       Shape of You/Ed Sheeran

○ホンマ、、ええ歌詞で賞    吹き抜く風のように/GLIM SPANKY

○ベストオブ若大賞       CHAI

 

【パーティで女の子に話しかけるには】

(イントロダクション)ジョン・キャメロン・ミッチェル監督作品

「ヘドヴィグ・アンド・ザ・アングリーインチ」「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」のジョン・キャメロン・ミッチェル監督が、エル・ファニングとトニー賞受賞の若手実力派アレックス・シャープを主演に迎え、遠い惑星からやって来た美少女と内気なパンク少年の恋の逃避行を描いた青春音楽ラブストーリー。

(ストーリー)1977年、ロンドン郊外。大好きなパンクロックだけを救いに生きる冴えない少年エンは、偶然もぐり込んだパーティで、不思議な魅力を持つ美少女ザンと出会う。エンは好きな音楽やファッションの話に共感してくれるザンと一瞬で恋に落ちるが、2人に許された時間は48時間だけだった。2人は大人たちが決めたルールに反旗を翻すべく、大胆な逃避行に出る。

(感想)オシャレ!世界観最高!ジョン・キャメロン・ミッチェルの作り出す作品の世界観が好きな方、70’sの音楽やファッション、UKカルチャーが好きな方、ならハマらないわけがない。

観るファッションマガジンとでも言いましょうか、ワンシーンどこを切り取ってもファッショナブル。音楽も素晴らしい。UKのパンクロックばかり流れます。

ストーリー展開はかなり奇想天外で正直わけわかめすぎる部分もありました。

でもそんなことはどうでもいいくらいの、映像自体が妙な説得力を持つあの感じ。あれはジョン・キャメロン・ミッチェルだから成せる技だと思いますね。だから彼の世界観には虜になってしまうんです。

あとは、エル・ファニングの透明感と、パンクロッカーのボスを演じたニコール・キッドマンの威圧感と存在感。これに尽きます。

【ゲット・アウト】

(イントロダクション)「パラノーマル・アクティビティ」「インシディアス」「ヴィジット」など人気ホラー作品を手がけるジェイソン・ブラムが製作し、アメリカのお笑いコンビ「キー&ピール」のジョーダン・ピールが初メガホンをとったホラー。

(ストーリー)アフリカ系アメリカ人の写真家クリスは、白人の彼女ローズの実家へ招待される。過剰なまでの歓迎を受けたクリスは、ローズの実家に黒人の使用人がいることに妙な違和感を覚えていた。その翌日、亡くなったローズの祖父を讃えるパーティに出席したクリスは、参加者がなぜか白人ばかりで気が滅入っていた。そんな中、黒人の若者を発見したクリスは思わず彼にカメラを向ける。しかし、フラッシュがたかれたのと同時に若者は鼻から血を流し、態度を急変させて「出て行け!」とクリスに襲いかかってくる。

(感想)非常に面白かった!まさに新感覚ホラー!いわゆるホラー作品とジャンル分けされているものの、ホラーでありサスペンスでありコメディであり風刺作品であり。ジャンル分けがとても難しい。ジャンル分けすること自体がナンセンスに思えてくるような斬新な作品でした。

以下、それぞれの要素からの魅力的だったポイントを。

ホラーとして。何が展開していくのかわからない怖さ、スリルの演出は抜群にうまいです。

サスペンスとして。伏線の回収の仕方が非常に憎い!予測を超えてくる!

コメディとして。人物像の描き方、会話の中に潜むブラックジョーク、場違いな空気が醸し出す居心地の悪さ、独特の間合い、などなどシュールな笑いがハイセンス。

風刺として。今なおアメリカ社会に残るブラック・ホワイトの人種差別問題について、割と大きく深く踏み込み切り込んでいます。我々日本人にはリアルな感覚として感じられないことも多いとは思うのですが、それでも日本人の私が見ても考えさせられる部分が多々ありました。

デリケートで難しい問題にも、救いようのない感じではなく、笑いを織り交ぜながらしかし皮肉たっぷりに描いているあたりに、監督のセンスとクレバーさを感じました。

とにかく新感覚でゾクゾクできる作品なので、難しいこと抜きにして楽しめると思います。

【ザ・サークル】

(イントロダクション)エマ・ワトソン主演、トム・ハンクス共演によるSNSを題材にしたサスペンススリラー。

(ストーリー)ユーザーのあらゆるデータを蓄積し、世界ナンバーワンのシェアを誇る超巨大SNS企業「サークル」。憧れの「サークル」に採用された新入社員のメイは、あることがきっかけでカリスマ経営者のベイリーの目に留まり、新サービス「シーチェンジ」のモデルケースに大抜擢される。「サークル」が開発した超小型カメラによって、自身の24時間を公開することとなったメイは、あっという間に1000万人を超えるフォロワーを集め、アイドル的な人気を博していくが……。

(感想)ありそう!超リアル!リアルがゆえにこわい!

今すでにどっぷりSNS社会ですが、これが行き過ぎたらどんな社会になってしまうのかを、最初は夢のような世界を描きつつ、徐々にその弊害と恐ろしさにスポットが当たっていきます。

これがまた超絶リアルなんですよ。よくできていて感動すらします。

これは現代のSNS社会を生きる私たちにとっての警鐘でしょうね。

SNS漬けの生活の人は特に!見てみたらいいと思います。

役柄と相まって、カリスマ経営者を演じるトム・ハンクスの貫禄にはゾクッとするものがあります。

【ギフテッド】

(イントロダクション)「キャプテン・アメリカ」「アベンジャーズ」シリーズのクリス・エバンスが幼い姪に愛情を注ぐ独身男を演じ、「(500)日のサマー」「アメイジング・スパイダーマン」のマーク・ウェブ監督がメガホンをとったファミリードラマ。

(ストーリー)生まれて間もなく母親を亡くした7歳のメアリーは、独身の叔父フランクとフロリダの小さな町でささやかながら幸せな毎日を送っていた。しかし、メアリーに天才的な特別な才能が明らかになることで、静かな日々が揺らぎ始める。メアリーの特別扱いを頑なに拒むフランクのもとに、フランクの母イブリンが現れ、孫のメアリーに英才教育を施すため2人を引き離そうとする。そんな母に抵抗し、養育権をめぐる裁判にのぞんだフランクには、亡き姉から託されたある秘密があった。

(感想)心が温まる!名作です!素晴らしかった!

ありがちなほかほかファミリードラマではない。登場人物の心情が丁寧に描かれていて、リアリティに満ちている。セリフは多くなくても表情からそれが汲み取れる。まるでドキュメンタリーを見ているみたいだった。わざとらしいセリフやわざとらしいシーンが一切ない。

ラストには大きな感動が待っています。

無邪気でとても子どもらしく、だけど生意気でずる賢い。メアリーを演じたマッケンナ・グレイスちゃんの演技力には感動。すでに天才女優の貫禄ですね。末恐ろしや。

【しあわせ絵の具 愛を描く人モード・ルイス】

(イントロダクション)カナダの小さな港町で、子供のように無垢で愛らしい絵を描き続けた素朴派画家のモード・ルイス。夫のエベレットは不器用ながらも妻のサポート役として献身的に尽くしていた。孤独だった2人が運命的な出会いを経て、夫婦の絆とたしかな幸せを手に入れた感動の実話を映画化!

(ストーリー)カナダ東部の小さな町で叔母と暮らすモードは、買い物中に見かけた家政婦募集の広告を貼り出したエベレットに興味を抱き、彼が暮らす町外れの小屋に押しかける。子どもの頃から重度のリウマチを患っているモード。孤児院育ちで学もないエベレット。そんな2人の同居生活はトラブルの連続だったが、はみ出し者の2人は互いを認め合い、結婚する。そしてある時、魚の行商を営むエベレットの顧客であるサンドラが2人の家を訪れる。モードが部屋の壁に描いたニワトリの絵を見て、モードの絵の才能を見抜いたサンドラは、絵の制作を依頼。やがてモードの絵は評判を呼び、アメリカのニクソン大統領から依頼が来るまでになるが……。

(感想)美しい暮らしとは何か、を教えてくれる作品です。

モードの多くを望まない生き方。ささやかで慎ましい生活の中に何を見るか。とても大切なことに気づかせてくれます。

夫婦が夫婦になっていくまでの描写も非常に丁寧。繊細で不器用な2人。痛々しいほど。でもその愛の形が2人らしい、愛の深さを感じさせられます。

モードを演じるのは、実力派サリー・ホーキンス。モードご本人の生前の映像を見たのですが、これはもう憑依と言ってもいいレベルの演技です。そっくり。モードの若かりし日から晩年まで見事に演じきっています。

また、風景の美しさ。2人が実際に暮らしたカナダの大自然が背景。それはそれは美しい。そんな自然の中で生み出されていくモードの作品は、優しさそのもの。

恥ずかしながら今作を観るまでモード・ルイスという素晴らしい画家のことを知らなかったのですが、彼女の絵は温かくとてもキュート。素敵な絵です。

劇中で発せられるモードの名言にも感服でした。

モードという女性の人生そのままが、絵に描いたように美しい。

愛の物語です。

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